IMFが今年と来年の世界経済成長率予測を大幅に引き下げ ~不確実性が過去最高の水準にまで高まっている!?~

突然スタートしたコラム「〇(まる)の部屋」。 はじめまして、“まるこ”と申します。 バブル時代に金融業界に社会人デビュー、今やアラ・プラチナ世代。不慣れではありますが、おかん気質で、世の中のこと、お金のことなど書き込んでいきたいと思っています。どうかよろしくお願いいたします!
~今日のお品書き~
世界経済成長率予測の引下げって?
-
国際機関の一つである国際通貨基金(IMF)は、3か月に1回、世界経済の成長率の見通しを公表しています。
-
2025年4月22日に発表された「世界経済見通し」では、2025年と2026年の世界経済成長率予測がそれぞれ2.8%と3%と、2025年1月に公表された予測値からそれぞれ0.5ポイント、0.3ポイント下方修正されています。(下記表1をご参照ください)
補足:世界経済成長率とは、いわば、世界経済の規模が成長する度合いを示す数字といえます。正確に言えば、実質国内総生産(GDP)≒「世界全体で1年間に作り出したものやサービスの付加価値の総額」の伸び率です。経済成長率は、経済の健康状態を評価するための重要な指標のひとつで、政策決定や投資判断に影響を与えるといわれています。
出所:IMF世界経済見通し4月
世界経済見通しの詳細
主要な国や地域の見通し及び1月からの前回比は以下の通りです。

出所:IMF世界経済見通し4月 をもとにセゾン投信作成
下方修正の背景は?
IMFは、不確実性が過去最高の水準にまで高まっていると述べ、要因として以下をあげています。
-
ほぼすべての国を対象とした米国の関税と主要貿易相手国の対抗措置によって世界の関税率も大幅に押し上げられたこと
-
こうした関税の急上昇にともなって不確実性が持続する場合、世界経済の成長を大幅に減速させることになること
一方、世界経済の成長は減速するとしても、景気後退の水準からははるかに遠いとも述べています!
世界は幾つもの苦難を乗り越えて成長してきたはず!
トランプさんが大統領に当選して以来、世の中では不確実性の高まりが取り上げられてきました。このように不確実性の高まりが感じられるほど、市場は思惑でより大きく振れやすいものといえます。これこそチャンス!と暗躍しているヘッジファンドもいれば、胃が痛い!という機関投資家もいるかもしれません。
こんな時こそ、私たち、長期で腰をすえた資産運用ができる個人投資家の立場を思い出すタイミングです。そんな騒ぎに巻き込まれず!色々な思惑を横目に!このグラフであらためて世界経済を長期の視点で振り返ってみましょう!
グラフ1

1 名目GDP:1988年~2024年(年次)。2024年はIMFの予測。
2 MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込):1988年3月31日~2024年12月30日(月次)。1988年3月31日を100として指数化。出所:BloombergおよびIMFのデータをもとにセゾン投信作成
緑色の棒グラフが、いわば世界経済の規模の拡大を示しています。確かに途中でこぼこはあるものの、例えば、リーマンショック・コロナショックなどを乗り越えて、しっかりと成長してきたことが確認できます。
今にはじまったことじゃない不確実性!こんな時こそ、3つのコツ!
思い起こしていただきたいのは、そのような数々のイベントは、誰も予測できたわけではなく、世界はある意味いつでも不確実だったはずです。
こんな時こそ、私たち、長期で腰をすえた資産運用ができる個人投資家の立場を思い出すタイミングです。そんな騒ぎに巻き込まれず!色々な思惑を横目に!このグラフであらためて世界経済を長期の視点で振り返ってみましょう!
<長期・積立・分散>は“呪文”ではありません。
思い起こしていただきたいのは、そのような数々のイベントは、誰も予測できたわけではなく、世界はある意味いつでも不確実だったはずです。
我らが瀬下ポートフォリオマネージャーの言葉「だれも将来の市況や相場を見通すことはできない」とあるように、変化は起こりえるものということを前提として、<長期・積立・分散>が資産運用のための“3つのコツ”だったはずです。
こんな時だからこそ、原点にもどり、3つのコツの意義を振り返える!が大事です。
さて、長くなりましたので、今回はここで失礼いたします。トランプ大統領の関税政策なども気になる点、そのあたりはゆくゆく・おいおい。
なお、IMFの予測は7月にアップデートされる予定です。IMFは貿易摩擦の悪化により成長がさらに低下するリスクを上げつつも、各国が貿易政策の姿勢を緩和し、新たな合意が形成されれば、成長見通しはすぐに改善し得るとも述べています。世界経済の成長の見通しがどうなっていくのか、あらためてみなさまとご一緒に確認していきたいと思います! (まるこ)
ご確認ください
本コラムは、IMFの世界経済見通し4月および記載時点の各種報道等をもとにセゾン投信が作成したものです。すべての見解を網羅するものではなく、また、正確性を保証するものではありません。今後の市況やセゾン投信が提供するファンドの成果を予測・推測・保証するものではありません。
- 投資信託に関するご留意事項はこちら