インデックスファンドとアクティブファンドの違いを4つの観点から紹介
インデックスファンドとアクティブファンドには、組入銘柄や信託報酬の傾向など、いくつかの違いがあります。今回は、インデックスファンドとアクティブファンドのそれぞれの特徴を踏まえつつ、違いを解説します。
あわせて、資産形成の目的や志向によってどちらが向いているかも紹介しますので、これから資産形成を始めようと考えている方は参考にしてみてください。
目次
インデックスファンドとアクティブファンドの特徴とは?
インデックスファンドとアクティブファンドには異なる特徴があります。両者の違いを理解していないと、自分の運用スタイルやリスク許容度に合わない投資をしてしまう可能性があるため注意が必要です。ここでは、それぞれの特徴を紹介します。
インデックスファンドの特徴
インデックスファンドとは、日経平均株価やS&P500指数などの指数(インデックス)をベンチマークに設定し、これに「連動」した値動きを目指しながら運用される投資信託です。パッシブファンドと呼ばれることもあります。
インデックスファンドでベンチマークとされる指数には、さまざまな種類があります。その代表例は下記です。
・日経平均株価
・S&P500指数
・TOPIX(東証株価指数)
・東証REIT指数
市場平均に連動することから、インデックスファンドは初心者にも値動きがわかりやすく、情報を得やすいという観点での安心感があります。また、インデックスファンドは運用管理費用などのコストが比較的低く設定されているため、費用を抑えて運用できます。
アクティブファンドの特徴
アクティブファンドは、株価指数等のベンチマークより大きな運用成果を目指すファンドです。運用の専門家が、成長性が高いと見込んだ企業の調査・分析といった、独自の投資判断基準に基づきファンドに組み入れる銘柄を厳選することで、指数を上回るリターンを目指します。
株式を中心としたアクティブファンドでは、下記のような投資手法を駆使してリターン獲得に動くのが特徴です。
・バリュー投資:企業価値に対して価格(株価)が割安な銘柄に投資する
・グロース投資:将来的な成長を見込める銘柄に投資する
なお、アクティブファンドの信託報酬はインデックスファンドよりも高く設定される傾向があります。ファンドマネージャーやアナリストなどの専門家による徹底したデータ分析や調査が不可欠であることが要因です。運用成果は、信託報酬を差し引いた範囲で見込んでおきましょう。
インデックスファンドとアクティブファンドの違いを比較
ここではインデックスファンドとアクティブファンドの違いを組入銘柄、信託報酬、メリット、デメリットの4つの観点から紹介します。
インデックスファンド | アクティブファンド | |
---|---|---|
組入銘柄 | ・アクティブファンドより多い ・基本的に各指数と同じような構成 |
・インデックスファンドより少ない傾向 ・専門家によってさまざまな銘柄が選択される |
信託報酬 | ・比較的安い | ・比較的高い |
メリット | ・リスク分散しやすい ・信託報酬の負担が少ない |
・インデックスファンドより大きなリターンを期待できる ・ファンドの種類が多様で、選ぶ楽しみがある |
デメリット | ・基本的に指数以上のリターンを期待できない | ・指数を大きく下回る可能性もある ・コストが比較的高い |
インデックスファンド | |
---|---|
組入銘柄 | ・アクティブファンドより多い ・基本的に各指数と同じような構成 |
信託報酬 | ・比較的安い |
メリット | ・リスク分散しやすい ・信託報酬の負担が少ない |
デメリット | ・基本的に指数以上のリターンを期待できない |
アクティブファンド | |
---|---|
組入銘柄 | ・インデックスファンドより少ない傾向 ・専門家によってさまざまな銘柄が選択される |
信託報酬 | ・比較的高い |
メリット | ・インデックスファンドより大きなリターンを期待できる ・ファンドの種類が多様で、選ぶ楽しみがある |
デメリット | ・指数を大きく下回る可能性もある ・コストが比較的高い |
下記にて、それぞれの違いについて詳しく説明します。
組入銘柄
組入銘柄はインデックスファンドのほうが多いので、より幅広く分散投資をしたいと考えているなら、インデックスファンドがおすすめです。
基本的にインデックスファンドでは、ベンチマークに設定している指数を構成する銘柄と同じ銘柄で構成されています。指数と連動した値動きを目指すファンドであるためです。
一方、アクティブファンドにおいては、株価指数等のベンチマークよりも大きなリターンを目指す性質上、各運用会社が独自の基準でさまざまな銘柄を組み入れます。アクティブファンドのテーマに応じて、成長株式中心のものからバリュー株中心のものあるいは小型株中心のもの、投資テーマを絞り込んだもの等バラエティ豊富です。
信託報酬
比較的、インデックスファンドのほうが運用にかかる信託報酬などは低く設定されています。インデックスファンドでは、指数と連動する成果を上げることを目的にベンチマークと概ね同じような銘柄で構成されるので、銘柄の調査や分析といった手間がかからず低コストで運営できるのです。
一方、指数を上回る成果を追求するアクティブファンドでは、銘柄を選択するために専門家独自の分析や調査に基づく投資判断が必要です。さらに、ポートフォリオ作成や見直しなどにも多くのコストがかかります。その分、信託報酬も高くなる傾向にあるのです。
メリット
インデックスファンドは成果が指数と連動するように設計されているため市場全体に投資ができます。市場全体の動きに関してはニュース等から日常的に情報が入りやすく、値動きが分かりやすいのもメリットといえます。さらに、長期運用するにあたってコストが抑えられている点も利点です。
アクティブファンドのメリットは、指数を大きく上回るリターンを得られる可能性がある点です。また、特定の分野に集中的に投資したり、将来性のある企業に投資したりと、ファンドを通じて多彩な投資体験が得られやすいのも魅力です。
デメリット
インデックスファンドにおけるデメリットは、基本的に指数以上のリターンを見込めないことです。ベンチマークに設定した株価指数等と連動した値動きを目指す性質が関係しています。また、安定的な印象の一方で、勢いのある市場などに引っ張られて値動きが大きくなることがある点もインデックスファンドの注意点といえるでしょう。
アクティブファンドのデメリットは、運用にかかる信託報酬が比較的高いものの、リターンがインデックスファンドを下回る可能性がある点です。独自の基準で銘柄を組み合わせる以上、指数を大きく上回ることもあれば、下回るリスクもあることを念頭に、長期的な実績などを確認して商品を選ぶことが重要となります。
【インデックスファンドとアクティブファンド】どちらを選ぶと良い?
インデックスファンドとアクティブファンドの特徴や違いはわかったものの、どちらを選べば良いか迷うものですよね。それぞれが、どのような方に向いているか紹介します。
種類 | 向いている方 | |
---|---|---|
インデックスファンド | ・低コストで市場全体に投資したい方 ・値動きのわかりやすさを求める方 |
|
アクティブファンド | ・インデックスファンドより高いリターンを狙いたい方 ・自分の好みや考えに合ったファンドに投資してみたい方 |
なぜ上記のようにいえるのか、理由を説明します。
【インデックスファンド】低コストで市場全体に投資したいと考えている方
インデックスファンドは、コストを抑えつつ、市場全体に投資したい方に向いています。です。また、値動きが指数と連動するわかりやすさ、手軽に幅広い銘柄に分散投資できる点でも、インデックスファンドは市場平均並みのリターンで十分であると考える方におすすめです。
【アクティブファンド】より高いリターンを狙いたい方
アクティブファンドは、より高いリターン獲得を目指している方に向いています。将来性が期待できる銘柄などを厳選して組み合わせることから、より大きなリターンを狙いつつも、分散投資により個別銘柄への投資に比べると相対的にリスクを抑えられるためです。
また、ファンドマネージャーによるこだわりの銘柄選定など、個性豊かなファンドの中から自分の好みに合ったものを選ぶ楽しさも付加価値になるでしょう。
まとめ
インデックスファンドはベンチマークとする株価指数等と連動した値動きを目指して運用するのが特徴です。一方で、アクティブファンドは指数を上回るリターンを目指すファンドです。
信託報酬をはじめとするコストをなるべく抑えた上で、幅広く銘柄分散した運用を考えている方にはインデックスファンドが向いているといえるでしょう。
一方、アクティブファンドは相対的にリスクとコストが高くなりますが、長期的にはより高い運用成果を期待できますので、両方を保有してそれぞれのメリットを活かす方法もあります。
商品選びで迷ったら、お気軽にセゾン投信までご相談ください。
\お金&ライフプランを相談できるアドバイザーが在籍/
※セゾン投信に口座をお持ちでない場合は、「おきがるサクッとコース」が対象
※セゾン投信の投資信託をふくめ商品の勧誘・販売は一切行いません。