積立投資を新年度から始めたい!初心者が長期運用を成功させるポイントとは
「積立投資は投資初心者にもおすすめって聞いたけど、本当?」
「積立投資」と言う言葉を耳にしたことがあるものの、このような疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新年度になり、「新社会人になるので投資を始めて将来に備えたい」「子どもの教育資金を準備したい」などと考え、積立投資を検討している方も多いと思います。投資で資産形成したいなら、「長期・積立・分散」が基本です。積立投資では、この基本を押さえながら資産形成をすることができます。
こちらの記事では、新年度をきっかけに投資を始めようと思っている方に向けて、投資初心者に積立投資をおすすめする理由や、積立投資で長期運用を成功させるポイントについて解説します。また、2024年から始まる新NISAで積立投資がどのように変わるのかについてもあわせて紹介します。
目次
積立投資とは“一定の金額”で“定期的”に金融商品を購入する投資方法
積立投資とは、金融商品を定期的に一定の金額で購入する投資手法のことです。積立投資では、買い付ける金融商品や金額、期間などを自分で選べるほか、一度設定してしまえば自動で買付が行われます。
手間がかからないことから、投資に時間をかけたくない方はもちろん、仕事や家事・育児などで忙しい方でも取り組みやすい投資手法と言えるでしょう。
積立投資を活用する制度や手法には、「つみたてNISA」や「iDeCo」、「株式累積投資(るいとう)」などがあります。
- つみたてNISA:長期・積立・分散投資を支援するための少額投資非課税制度
- iDeCo:毎月一定の掛金を積み立て、老後の備えとする私的年金制度
- 株式累積投資(るいとう):毎月一定の金額で株式を買い付ける投資手法
投資初心者に積立投資をおすすめする理由
投資初心者に積立投資をおすすめする理由には、主に以下の4つがあります。
- 継続の有用性がある
- 感情に左右されずに投資を継続できる
- 買うタイミングを気にせず投資できる
- まとまったお金がなくても少額から投資できる
それぞれ見ていきましょう。
継続の有用性がある
たとえ相場が動かなくても、積立投資では一時の判断で売却せず積み立てを継続することが大切です。
下図は、2008年に発生し世界的な同時不況となったリーマンショックをきっかけに、積み立てを停止した場合とそのまま継続した場合を比べた結果を表しています。
経済が回復してから損益がプラスになるまでの期間は、積み立てを停止した場合よりも継続していた場合のほうが早かったことが分かります。相場下落時にも積立投資を継続することで平均購入単価を低くし、それが経済回復時のリターンの源泉となったのです。
感情に左右されずに投資を継続できる
積立投資には、「感情に左右されず投資を続けられる」という大きなメリットがあります。
投資は「安いときに買う」が基本ですが、いつ最安値になるかは誰にも判断できないもの。つい値動きに左右されて「今が最安値だ」と思い込んで購入しても、そのあとさらに安値になった――というケースは多々あります。結果として、損失が生じるおそれもないとは言いきれません。
下図は、2018年1月からつみたてNISAで「セゾン資産形成の達人ファンド」を毎月33,000円ずつ積み立てているケースです。
2020年3月にコロナショックで基準価額が大幅下落した際に積立を途中で解約(換金)してしまうと、元本891,000円に対して評価額(※)は727,108円となります。元本割れの状態で解約すると、せっかくつみたてNISAで運用していても非課税の恩恵は受けられません。
しかし、解約せずにそのまま積立投資を継続していれば、2021年9月には元本1,485,000円に対して評価額は2,031,391円になります。このように、積立投資であれば一時の相場に惑わされることなく投資を継続できるのです。
(※)保有している投資信託などの資産を時価評価した場合の価額(価値)。
買うタイミングを気にせず投資できる
投資をしようと思っても、値動きがある商品だと「どのタイミングで買えば良いのか分からない……」と悩まれる方もいらっしゃるかもしれません。
積立投資であれば、例えば「毎月25日に1万円ずつ購入する」というように一定金額を決まった日に購入するので、購入のタイミングに悩まず投資を続けられます。買うタイミングを考えたり、値動きを確認したりする手間や時間をかけなくても良いので、投資によるストレスを抑えることもできるでしょう。
まとまったお金がなくても少額から投資できる
積立投資は、まとまったお金がなくても少額からコツコツと投資できるので、長期的に見ても無理なく資産を形成しやすい投資手法です。
最低1万円程度から商品を購入できるのが一般的で、セゾン投信では毎月5,000円から購入できる定期積立プランもあります。予算に合わせて投資額を調整できるのもメリットのひとつです。
積立投資で長期運用を成功させるポイント
続いては、新年度をきっかけに積立投資を始めたい方に向けて、積立投資を成功させる3つのポイントを紹介します。
- 大前提として長期運用に適したファンドを選ぶ
- 積立投資のシミュレーションをする
- ドルコスト平均法を活用する
大前提として長期運用に適したファンドを選ぶ
世の中には投資信託や株式など非常に多くの投資商品がありますが、市場を予測して短期的な値上がりを狙うファンドではなく、長期運用に適したファンドを選びましょう。
セゾン投信のファンドは、長期育成型で設計されている点が特徴です。その結果は、2023年のリフィニティブ・リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2023(※)で、「評価期間10年」という区分でセゾン資産形成の達人ファンドが受賞しており、これまでも連続受賞しています。このように、評価機関などの第三者による情報発信を活用することでも、ご自身が投資したいと思うファンドが本当に長期運用に適したファンドであるかを確認することも大切です。
(※)LSEG(ロンドン証券取引所グループ)傘下のリフィニティブ社が、独自の投資信託評価システム「Lipper Leader Rating(リッパー・リーダー・レーティング)システム」の「コンシスタント・リターン(収益一貫性)」を使い、優れたファンドとファンド運用会社を毎年表彰。
積立投資のシミュレーションをする
積立投資で長期的な資産運用を考える際は、運用期間や毎月の積立額、想定利回り、目標金額などをあらかじめシミュレーションしておくことが大切です。シミュレーションを通して、投資信託を買い付ける際の具体的なプランニングをイメージしやすくなります。
セゾン投信の積立投資シミュレーションでは、将来の積立資産額や毎月の積立額、目標までの積立期間を簡単にチェックできます。「目標金額達成のために月々いくら積み立てれば良いの?」といった疑問がある方は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
※シミュレーション結果は将来起こり得るマーケットや社会の変動などが網羅されているわけではなく、その正確性、完全性や将来の成果を保証するものではありません。あくまで参考値のひとつとしてご活用ください。
ドルコスト平均法を活用する
「ドルコスト平均法」とは、価格変動がある金融商品を「定期的」に「一定金額買い続ける」ことで、平均購入単価を抑える手法です。
価格が低いときには購入量が多くなり、逆に価格が高いときは購入量が少なくなるため、平均購入単価を抑える効果を期待できます。
つまり、価格が下がった時ほど「多くの口数を買い付けられるチャンス」となります。下落相場で「口数をたくさん買える」と発想を転換することで、焦らずに投資を継続できるでしょう。
例えば40,000円を投資資金に回したケースで、「一度にまとめて購入した場合(一括購入)」と、「毎月10,000円ずつ、4回に分けて購入した場合」を見てみましょう。
上図において、一括購入と毎月10,000円ずつ購入した場合とでは、平均購入単価に約1,500円の差が生じていることが分かります。
以上のように、積立投資は“時間分散効果”で買える量が変わることも特徴です。このことからも積立投資は長期的な資産形成に適した投資手法と言えるでしょう。
積立期間が長くなるほど価格が平均化される期間も長くなるため、「ドルコスト平均法」の恩恵を大きく受けることが期待できます。
※ただし、ドルコスト平均法によって投資収益が確実になるものではありません。例えば、購入する金融商品の価格が下落し続けるなどの場合は損失を被る場合があります。
2024年以降は新NISAで積立投資がより便利になる
ここまで、投資初心者へ積立投資をおすすめする理由や積立投資で長期運用を成功させるポイントをお伝えしましたが、積立投資を始めるならNISAがおすすめです。2024年1月からは新しいNISA制度(新NISA)が始まることが決まっており、現行のNISA制度よりも使い勝手が良くなります。
ここでは、「新NISA制度で積立投資がどう変わるか」と、セゾン投信で扱うファンド(新NISAの対象商品)について紹介します。
新NISA制度で積立投資はどう変わる?
2024年1月から始まる新NISAでは、「一般NISA」と「つみたてNISA」が一体化されます。また、年間投資上限額が360万円、生涯の非課税保有限度枠が1,800万円と大幅に拡充されたほか、非課税保有期間も無制限となりました。
また、新NISAの枠は「つみたて投資枠」と「成長投資枠」に分かれていますが、「つみたて投資枠」で投資できる商品は「成長投資枠」でも投資可能です。そのため、年間で最大360万円の積立投資ができることになります。
新NISAについては以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
セゾン投信のファンドは新NISA制度の対象商品
先にも述べたように、セゾン投信で取り扱っているファンドは「長期資産形成を達成すること」を目的に作られており、新NISA制度の対象商品です。セゾン投信のファンドのうち「セゾン・グローバルバランスファンド」と「セゾン資産形成の達人ファンド」は、新NISAでも「つみたて投資枠」および「成長投資枠」の両方で買付が行えます。
なお、「セゾン共創日本ファンド」はつみたてNISAの対象ではないことから、現行の制度では非課税保有期間が5年間の一般NISAでしか利用できませんでした。しかし、新NISAでは「成長投資枠」として、同ファンドの運用を無期限で続けられます。
3つのポイントを押さえて新年度から積立投資を始めよう
今回の記事では、投資初心者に積立投資をおすすめする理由や、積立投資で長期運用を成功させる3つのポイントである「ファンド選び」「積立投資のシミュレーション」「ドルコスト平均法」について解説しました。新年度は就職や転職、子どもの進学・進級など、さまざまなライフステージの変化が見られる時期。新生活のスタートをきっかけに、積立投資を始めてみてはいかがでしょうか?
また、2024年から始まる新NISAについては、これからより詳しい内容が明らかになっていくかと思います。今後の動向にアンテナを張っておくと良いでしょう。
セゾン投信は、少額から長期的な資産形成を実践できる「つみたてNISA」を推奨しています。保有する資産に関する悩み、ライフイベントに関連するお金の問題についての疑問や不安を解消できる「顧客本位の相談室」を設けていますので、困ったことがあればお気軽にご相談ください。また、各種セミナーやYouTube公式チャンネルでは、長期・積立・国際分散投資などに関するお役立ち情報もご覧いただけます。
ライタープロフィール
織瀬ゆり
元信託銀行員。AFP・ 2級FP技能士や宅建士、証券外務員1種、内部管理責任者、生保・損保募集人など、複数の金融・不動産資格を所持。それらの知識をもとに、「初心者にもわかりやすい執筆」を心がけている。2児の子育て中でもあり、子育て世帯向けの資産形成、女性向けのライフプラン記事を得意とする。